どうもうしぐまです。
シリコンバレー銀行破綻などが起きてから1か月以上たち、安心している人たちも出てきていそうですね。うしぐま的には懐疑的な立場なので、継続的にデータを監視していきたいですね。
ということで、今回の目次は以下です。
- ダラス連銀の銀行状態調査を見る。
- 信用縮小が引き起こすリスクについて考える。
それでは行ってみましょう。
ダラス連銀の銀行状態調査を見る。

米国のそれぞれ連銀が様々な調査を出しているのですが、今回はダラス連銀が発表しているBanking Conditions Surveyの内容に注目していきたいと思います。
まずはざっくり最新の2023年の3月レポートの内容をまとめます。
- 2023年3月の調査では、融資需要が5期連続で減少し、事業活動が悪化したと銀行家たちが報告。
- 消費者ローンの大幅な縮小が主因で、ローン残高が減少。
- 消費者ローン分野で過去6週間で顕著な上昇があったものの、全体としてローン不履行が僅かに増加。
- 信用基準と条件が大幅に引き締まり、報告期間中にローン価格の大幅な上昇も記録された。
- 銀行業界の見通しが引き続き悪化し、今後6か月間で融資需要と事業活動の縮小、不履行ローンの増加が見込まれている。
内容をそのまま読んでまとめたのですが、直近6週間で消費者ローンは顕著な上昇があったけど、全体的なローン残高の減少は消費者ローンが原因という内容で若干違和感がありますね。。
ということでチャートで推移を見てみましょう。

緑色が消費者向けローンということで、確かに2023年に入ってから一度切り替えしてましたが、、今回レポートが出た3月ではかなり下がっています。基本的に信用は縮小しているということですね。
ちなみに不良債権を示すNonperforming Loansの項目は下記のように推移しています。

コロナショックで跳ね上がった時のレベルの水準にFutureの方が高まってきていることが確認できます。

とはいえ、足元はまだ劇的に増えているわけでもなさそうですね。消費者向けがすでにかなり高いですが。怪しいと言われている商業用不動産は足元の数字が劇的悪化しているわけではなさそうです。
信用縮小が引き起こすリスクについて考える。
2007~2008頃のリーマンショックで有名な金融危機やその10年近く前のアジア通貨危機などからLTCMの破綻など大きな金融危機の前には必ずと言っていいほど大規模な金融緩和が行われています。
中央銀行が市場の資金を増やしているときは、あらゆる事業や経済活動で需要が増えても、その需要を融資などの貸付金によって賄うことが可能です。
ですので、MMTみたいに需要が足りない分はお金をたくさん印刷すれば景気をよくすることができ、政府が債務として資金を市場に供給することで、経済活動を改善できるという話になるわけですね。
しかし、歴史上低金利などによる金余りが生じた際には、融資される事業が必ずしも成功する価値がある事業だけではなく、事実上金の無駄遣いに近いプロジェクトにも大量の融資が行われるようになります。ここ数年ではクラウドファンディングといった個人間の融資といったビジネスが発展していましたが、技術の発展だけでなく、その背景にもおそらく金融緩和による金余りがあったのではないかとうしぐまは考えています。
利益を生み出さない事業への融資は不良債権という形になりますが、金の貸し手がたくさんいる間は資金が調達でき、事業自体は運営され続けるため、問題は表面化しにくいです。
大量の債務が積みあがった状況でこの1年で急激な利上げを行い、シリコンバレー銀行破綻のようなニュースが生じて新しくお金を貸す活動が一気に縮小したらどうなるでしょうか?
いままでお金を借りられることを前提にビジネスを動かしていた人たちの活動は?
その人たちが破綻した際に連鎖で減る需要は?
本来であれば、信用が縮小して景気が悪化すれば、中央銀行が緩和をして経済を助ければいいですが、現在は緩和のやりすぎでインフレ水準もかなり高水準です。また利下げをすれば今度はインフレの再発が起きてしまいます。
ということでうしぐまは怪しい状況はすでに整っているのではないかと考えています。
ここら辺の経済における信用と中央銀行の役割などをわかりやすくまとめた動画がyoutubeにあるので、興味がある人はぜひ見ていただければと思います。
超有名なヘッジファンドのファンドマネージャーであるレイダリオ氏がまとめている考え方で、わかりやすく本質をとらえている内容だと思います。おすすめです。

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