【ニュース記事】 ドイツ銀行Tier2劣後債を早期償還して昇天しかける。

夕方からなんか頭おかしいぐらい米債金利が動いているから何かあったなと察して調べていったところ、おそらくこれがトリガーだと思われますね。

とはいえ、、冷静に考えてなんでTier2劣後債を早期償還したら市場がドイツ銀行はやばいかもしれないってなるのか不思議だったので少し調べつつまとめます。

ドイツ銀の劣後債、大きく値上がり-予想外の早期償還発表後 – Bloomberg

疑わしきは罰せよってヤツですね兄貴!!!

今回の目次は以下の内容でいきます。

  • Tier2劣後債とかAT1債ってそもそも何??
  • なんで米国で起きた銀行破綻から欧州で信用不安がたてつづけに起きるのか??

それではいってみましょう。

Tier2劣後債とかAT1債ってそもそも何??

クレディスイスがUBSに買収されたときにAT1債ってのがどうも価値がなくなって大変だったらしいなぁみたいな認識の人とか、今回もTier2劣後債ね。ふむふむって雰囲気で金融ニュース読んでいる方も以外に多いのではないかなって思ったので、(自分も雰囲気で読みそうだったので)、面倒くさがらずにちゃんと確認していきましょう。

  • 参考にしたページ

AT1債およびバーゼルIII適格Tier2債(B III T2債)入門―バーゼルIII対応資本性証券(ハイブリッド証券 : 財務省 (mof.go.jp)

バーゼル合意、バーゼルI、II、IIIとは何ですか? いわゆるBIS規制とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan
  • そもそも何のために発行されている債券なのか?

バーゼル規制というめちゃくちゃ有名な規制がありまして、国際的な銀行が破綻しないように自己資本比率や流動性に関する比率を国際統一基準を決めて、みんなで守りましょうぜって規制です。

で、1988年にバーゼルⅠが、その後2004年にバーゼルⅡ、2017年にバーゼルⅢと、新しいパターンの金融危機などを経るたびに、このバーゼル規制は既存の枠組みの抜け穴や、足りてないところを厳しくして、銀行とかがリスクをとりすぎて破綻しないようにしましょうって進化してきました。

この中のバーゼル規制が厳しくなる過程で、通常の企業と違い、銀行が破綻すると個人が預けていた預金まで返ってこないことになるため、銀行が普段融資したり、金融商品に投資している資金の原資を個人が預けている預金ではなく、例えば株式や、銀行が破綻した場合に真っ先に支払いがもらえなくなる劣後債※1(AT1債やTier2劣後債など)を発行して資金を調達することで、最悪の場合でも預金を守れるクッションを作ろうぜって話が出てきて、そのクッションがAT1債やTier2劣後債です。

めっちゃざっくりな説明ですが、銀行に万が一があったら真っ先に損をするけど、その代わりに普段金利が多くもらえるのがこのAT1債やTier2劣後債ってやつです。

※基本企業が破綻した場合、資本の提供者(株主)への残った資産の分配は最後で、まず先に債権者に分配が行われます。この債権者の中で、分配をもらえる順番に優劣をつけることから劣後債なんて呼ばれているとイメージするとわかりやすいかと思います。先日のクレディスイスでは、株主にはUBSの株式が交換されたのに、AT1債(劣後債)保有者は保有債券が無価値になったので、株主と債権者に対する分配順番の構造上おかしいと指摘した人たちが出てきたということですね。たしか、、、、

(わかりやすく説明するため厳密な説明は避けています。)

  • AT1債とTier2劣後債の違いって何?

銀行からの目線だと下記の説明がされてます。

AT1債は「ゴーイング・コンサーン・キャピタル(生き延びるための資本)」

Tier2劣後債は「ゴーン・コンサーン・キャピタル(安全に破綻するための資本)」

なんのこっちゃ??って思いますが、

これは債券を買った側の人の目線から説明すると、

AT1債は銀行の経営が危うくなってきたら、貸していた金額の元本が削減されるお金の貸付。

Tier2劣後債は銀行が破綻したら、貸していた金額の元本が削減されるお金の貸付と考えられます。

つまり、AT1債の方が踏み倒される確率が高く、Tier2劣後債は本当に銀行が破綻したときに残った資産の分配を受ける権利もなくなり踏み倒される貸付ってことですね。なので、AT1債のほうが利回りは高いです。(お金を貸す人が高いリスクをとっているので)

※実際には債券毎にいろいろな細かい条件が決まって性質が異なったりしますが、ざっくりなイメージはこんな感じかと。


今回はドイツ銀行がこのTier2劣後債ってやつを早期償還、つまり万が一銀行が破綻したら、返ってこなくなるお金を当初の予定より早く返しますってことをして、おそらく自社のバランスシートは健全だから、破綻したときに返さなくてもいい借入なんぞなくても平気だぞってアピールをしたかったのでしょうが、疑わしきは罰せよって感じですね笑(もしかしたら現時点でニュースになってない何かが起きているのかもしれませんので、間違っているかもですが、、)

疑われてしまったドイツ銀行さん

なんで米国で起きた銀行破綻から欧州で信用不安がたてつづけに起きるのか??

うしぐまが過去に学んできた知識からの推測に過ぎないのですが、過去の金融危機が起きた際によくあるのが、損失の連鎖なんですよね。これを警戒している人が多いのかなと感じてます。

損失の連鎖について具体的に説明しますと、

誰かが金融市場で過剰に貸付をしたり、過度なレバレッジをかけて投資している際に、物事が順調なときはそれでどんどん稼げるのですが、景気が悪くなった時に損失に耐えきれず破綻してしまいますと。

(低金利の時期が続くと過去の経験では毎回攻めすぎちゃう人達が出てきている認識です。)

すると、この破綻した人が出てきたニュースで銀行が新しく融資をしなくなったり、みんなが金融資産を投げ売りしたりと状況が変わります。

こうなると、いままで借金で事業の運転資金を調達していた企業や、無茶な投資はしていなかったから破綻はしていなかった人たちも、借りられたはずのお金が借りられなくなったり、損失が大きくなりすぎてロスカットをせざるを得ない状況になります。

こんな形で損失がどんどん連鎖すると急激に経済活動が冷え込んだりします。

現在の金融市場はデリバティブの発展もあり、かなり複雑に絡み合っているので、先進国の大きな市場で起きたショックはほとんどの場合が他の市場にも伝播します。ってことでみんな疑心暗鬼になっているといったところなのでしょうね。それを利用して仕掛けている人たちもいそうなので、余計に疑わしきは罰せよって状況なのだと考えています。

経済の仕組みでいくとこの動画がめっちゃわかりやすいのでお勧めですね。↓

日本市場はいつも後追いになるので、リスクのとり方が難しいですね。

とまぁ、かなりざっくりですがまとめてみました。

マクロ経済とかについて触れた記事もあるので興味がある方はこちらにどうぞ。最後まで読んでいただきありがとうございます。

【現状把握】結局米国経済っていまどうなっている??今後の景気はどうなるのか?

最後まで読んでいただきありがとうございます。

↓ブログ更新の励みになりますので、ポチっと押してもらえたら本当にありがとうございます。


株式ランキング

タイトルとURLをコピーしました