先日学生時代からお世話になっている先輩方と久しぶりにご飯に行った時の話。。
先輩A:「別に株価がどうなるかとか聞くわけじゃないけどさ、楽天ってあれいまどうなってんの?」
うしぐま:「なんか赤字やばそうっすね。」

多分相手の期待に応えられなかった気がしましたね笑(投資家として死ぬかと思いました。)
大型株は決算書の項目が多くて見るの大変、小型株ほどボラが出にくいから個人でやる分には分析に労力使った割に稼げないってのが理由であんまり見ないんですが、投資家として、もうちょいましな説明したかったなと思ったので、今回は楽天の決算書を見てみましょう。金融セクターって決算書特殊だから余計に敬遠しているのですが、今回は元凶のモバイル事業を中心に見てみましょう。
ブログの運営方針上、自分のポジションとバッティングさせたくないとなると、こーゆう知名度のある大型企業の話題とか取り上げるのはありだなぁなんて思ったりしました。調べているときに一番楽しいのは不祥事系なんですけどね笑
【不祥事】8136 サンリオの会計操作って結局何やってたの??
※このブログでは特定のポジションを推奨することはありません。
今回のブログは以下の目次で書きます
- 楽天グループの損益計算書を見る。
- モバイル事業部の赤字の理由を見ていく。
- いままで投資した金額(設備分)から考える事業損益分岐
それでは早速行ってみましょう。
楽天グループの損益計算書を見る。(銘柄コード:4755)
まずは現状何が起きているのかやばそうから、ちゃんと数字で説明できるようにしていきましょう。
この規模の大手企業の場合はIRがしっかり充実していて、事業別の数字とかも見やすいようにまとめてくれていることが多いので、IRサイトに飛びます。


やっぱりありましたね。決算データシート。中を見てみると、、

分かりやすくて素敵ですね。事業別の推移とか四半期の決算書からとってくるときは本文から抜き出さないといけなくて結構手間なんですよね。逆に小型のそこまで見ている人がいないところだと、そこに稼ぐチャンスになりそうな情報が落ちていることもあるのですが、、
シートを見ると事業部別もありそうですし、設備投資額に関しても情報がありそうですね。
ぶっちゃけこれがなかったら手間すぎて記事にしてなかった
とりあえずまずは全社の数字を見てみましょう。

IFRSの営業利益額がとんでもない勢いで赤字が増えてますね。。
単位:百万円ということで、約3640億円の赤字ということで、、前年は約1950億円だったので、これはなかなかな勢いで赤字を垂れ流していますね。
売上高の内訳をみると、ざっくりインターネットサービスが50%強、残りをフィンテックとモバイルで分けていて、フィンテック側が30%強、モバイルが15%強ってところですかね。実態のイメージをつかむことが大事なのでざっくり行きます。
次に、営業費用の内訳を軽く見ましょう。
合計額が1.58兆円⇒1.97兆円⇒2.25兆円とガンガン増えてますね。
宣伝広告費用、従業員給与、減価償却費(設備などを使用期間にわたって費用として計上していく項目)、通信費、委託外注費などガンガン費用が伸びてますね。
売上より費用の方が大きく伸びているところからも、何かしらの事業に先行投資している状況で、今後売上が伸びるかどうかがかなり重要であることが伺えます。
またこれだけ赤字額が大きいということはキャッシュフローが側も気になるところですね。金利も上がってきていますし、今後の設備投資や資金調達の視点でも見ていくことが重要になりそうです。

(今回の記事ではひとまずわかりやすい損益計算書を中心に見ていきます。需要がありそうならBSとか見ていく記事を作るかもです。)
モバイル事業部の赤字の理由を見ていく。
どこかの事業部の費用が大きいのか、それとも全体的に赤字なのかと見ていくとおのずと近年の業績悪化につながっている事業部の存在が見えてきます。

楽天モバイル、、お前だったのか、、
営業利益で見たときに、約-2,150億円⇒約-4,040億円⇒約-4,590億円
EBITDAも(ざっくり営業利益から減価償却やのれん償却などの費用を除いた額)がっつり赤字ということで、過去に設備投資した金額を費用に計上している分だけでなく、普段の事業運営における人件費や、通信費用、宣伝広告費などでも完全に赤字ということですね。
キャッシュフローベースで見てもまだまだ資金が垂れ流しになっているということで、早急に売上高の拡大or費用の縮小をしないといけなさそうです。
0円キャンペーンの廃止とかありましたよね。
携帯料金は全体的に価格競争がかなり激しくなっている分野ですので、単純に契約してその費用だけで稼いでいくのは難しそうです。楽天は自社のサービスを複数保有しているので、それらのサービスと結びつけてうまいことやりたいのでしょうが、シナジーによるメリットってのは大抵フワフワしていて、ふたを開けてみるといまいちってことが多い印象です。
いままで投資した金額(設備分)から考える事業損益分岐

モバイル事業にどれだけ投資したんだろうか気になったので、過去の投資額のデータをとってきました。ちなみに、ここより前は2019年から2017年1Q~2019年4Qまでの数字は取れまして、そこまでで有形無形合わせて大体2,000億円程度の投資額でした。
2020の1Qから2022の4Qまでの合計がモバイルセグメントで1.26兆円ということで、すでに1.5兆円近く設備投資してるんですかね。。
現時点の楽天の時価総額が1兆400億円ということで、かなり後ろ向きに市場はとらえていることが感じとれますね。
多分先輩が聞きたかった倒産とかそーゆうことありそうなのって質問に対しては、BSちゃんと見ないと何ともって話なのですが、金融系の事業やっている会社のBSを見るのは骨が折れるので今回の記事では掘り下げません笑(趣味のブログで扱うにはテーマとしてちと荷が重い。)
とはいえ、モバイル事業自体は今年も伸びがいまいちだといよいよ株主からの追及も厳しくなっていきそうな雰囲気ですね。楽天パンダがぴえんするかどうかも少し頭の片隅に入れておこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
↓ブログ更新の励みになりますので、ポチっと押してもらえたら本当にありがとうございます。